2006年 11月 15日
グレンに向けて① |
ナツくんに,触るとカシャカシャ音がするトリの形のおもちゃを作ってみました・・・
「布伝説」というとんでもない名前の生地やさんで大量に買ったボーダー、布のストックがもうそれくらいなんだな。しかもそこ、地名が名古屋市名東区「極楽」・・・・・。
「家どこ?」「極楽に住んでるの」「え?」ってかんじかな~
最初はどうなることかと思いましたが、今もそう思っていますが、ナツくんは6ヶ月を迎え、おかげさまですくすく育ってます。寝返りをぐるんぐるんしておもちゃに手をのばしかじってます。離乳食も上の2人にはなかった勢いでせっせと作っているのでむしゃむしゃ食べてくれます。ほんとにかわいいかわいい男の子です(ごめんなさい)。
ナツくんはみためにはわかりませんが、心臓が悪いので、次のグレン手術(※)前のカテーテル検査のため今月11月28日から4泊5日入院、そして年明けにその手術の予定が入っています。
一瞬だったけど、先日ナツをあるお友達数人に初めて見せる機会が(6ヶ月になってやっと)ありました。
みんなけっこう本気で「かわいいあかちゃん~っ!!」って言ってくれて、
その後家にもどってウウっと涙ぐんでしてしまいました。
グレンが近づいてきて自分がナーバスになりつつあるのは確かな模様。
いまだに「なんでナツくんは何にもやってないのにこんな目にあわなきゃいけないの」って思ってしまう。
医学的知識に間違いが多々あるとは思いますが、以下メモ的に書きます。
さて、※正式にいえば「両方向性グレン手術」
心臓に2つあるべき心室が何らかの形態で本来のように機能できない単心室の子たちは、心臓の中で汚い血ときれいな血が混ざってしまいます。そのため大静脈を心臓から切り離して肺動脈(心臓から肺へ汚れた血が流れてゆく血管)につなげてしまう。これで汚い血が直接肺に戻るのできれいな血と汚い血が心臓の中で混ざらなくなる。つまり心臓のお仕事はきれいになった血を全身に送り出すことだけになります。これを根治手術として目指してゆくのです。
この根治術は「フォンタン手術」といいますが、その前段階としてまず体の上半身から戻ってくる上大静脈を心臓から切り離して肺動脈につなげてしまうというのが「グレン手術」なのです。「両方向性」がつくのは、上大静脈が左右の肺動脈に流れるようにつなぐということを意味します。
書くとかんたんだけど、そんなにうまくいく話なのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそもナツくんの病名は
・AVSD(房室中隔欠損)
・TGA(完全大血管転位)
・PS(肺動脈狭窄)
・Asplenia(無脾症候群)
・TAPVP(総肺静脈還流異常)
前回のシャント前カテレポートを主治医が二枚出しちゃったから、と言ってくれたの(ほんとはセカンドオピニオン用に、との配慮だったんだけど、行く必要性をあまり感じなくなったので愛知小児におまかせすることにしたのでここにある)を眺めてみる。略語と数値の羅列である。おおまかにいって
*PV・・・肺静脈
*PA・・・肺動脈
*RA・・・右心房
*RV・・・右心室
*LA・・・左心房
*LV・・・左心室
*IVC・・・下大動脈
*SVC・・・上大動脈
*INN.V・・・わからん?
(そのそれぞれに対して部位ごとの圧力や血流量の測定値)
*PAindex・・・・肺動脈インデックス
肺動脈の太さを評価する数値.330プラマイαが正常?なのに、ナツくん137?
シャント後に肺動脈が太くなるかもしれないと期待があったのだが、期待は外れている。だから実はナツくんは7月に入れた人工血管のおかげで生きているようなものだ。
ナツくんは大血管転位だから、房室中核欠損してないと生きられなかった。そういうところを見ると、あるひとつのきっかけからどんどん心臓と付近の複雑さが増えたのかな、と思う。肺静脈還流異常も不思議な血管形態だと今さらながらに驚いてしまう。無脾の子の症状は違いこそあれ、特徴はよく似通っている。
○ちなみにカテの前に飲む眠るお薬トリクロ: 催眠鎮静剤,抗不安剤
眠りにつけるお薬。おもに脳波や心電図などの検査時に用いる。脳の神経の働きを抑える作用がある。 短時間型の催眠鎮静薬。
○心カテ:ウィキペディアにあるけど、リンクがうまくいかず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
で、これを今ながめてるのは次のカテで評価されることを想定しながら・・・。
<グレン手術の基準となる数値>
☆肺動脈圧 20以下 (左平均と右平均を出す)
☆肺血管抵抗 3.0以下
☆肺動脈指数 250以上
☆肺体血流量 ?
○心収縮率・・・心臓の駆出率のことで、血液を送る心臓ポンプの機能正常値は60~80%らしい。
平たく言うと、心臓のポンプ機能に頼らずに肺に血が流れるためには肺血管抵抗が低いこと。そして心収縮の能力によって肺からの血がきちんと心臓にもどってくること。左心房の圧より静脈圧が高いこと。
○グレン後はサチュ80~85%を保つ。今80前後なのであまり変わらない。
★肺静脈還流異常は今回根治すると思うが、自分あまりよくわかっていないのでちゃんと聞いておく。
★肺動脈狭窄を今後どうするのかがよくわからない。シャントをそのままにしておくかもしれない、と前に言われた気がするけど・・・?
※静岡こども病院のHP/グレン手術の項より抜粋
「・・・左右の肺動脈がバランスよく成長してくれないときには、静岡こども病院坂本科長が開発したintrapulmonary septationという新しい手術を行い、バランスよく肺血管が成長するように工夫し、なるべく良い状態で次の段階に進めるようにしています。」
肺動脈を形成する手術のことなどもけっこう目にするが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてグレン後、どんな状況が待ち受けているのだろうか。
グレン後心臓の負担が軽くなるとはいえ、シャント後アダプテーションに時間のかかった彼(心不全状態)。
★おさらい
◎心拍数・・・正常120~140/分
◎心胸比・・・心胸比(%)=[心臓の幅÷肺の幅×100] 50~55%以下が正常
水分がたまったりして異常値がでる
◎呼吸・・・・・・正常なbabyで30~40回/分
◎炎症反応 CRP・・・・・・・
体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクディブ・プロテイン=CRPが現われる。このCRPは、正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないため、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われる。
●基準値
定性法(CRPの有無を調べる方法)では陰性(-)が正常。ごくわずかでも炎症がある場合には弱陽性、炎症の強さに応じて強い陽性反応を示す。最近では定量法(一定の量のなかに含まれる量を調べる方法)で判断するのが一般的になっています。この場合1デシリットルの血液のなかにCRPが0.6ミリグラム以下であれば正常。
●異常値の場合に考えられる主な疾患
陽性反応が強い場合は、結核などの感染症、膠原病、リウマチ熱、心筋梗塞、肝硬変、敗血症、悪性腫瘍など。弱陽性の場合もウイルス性疾患、急性肝炎、脳炎、内分泌疾患などの疑いがある。
●受診時または検査時の注意点
CRPに異常がある場合の多くは、発熱や不快感をともなう。基本的に空腹時に行われる。
★また、グレン後予想される事態についてはやはり知っておくべきだろう
◇乳び胸・・・・胸に脂肪分を含んだリンパ液が溜まること。
脂肪分はリンパ管で吸収され、肝臓へと運ばれるが、その脂肪分の吸収が悪くなり胸に溢れ出て胸水になる。
◇胸水
◇無気肺・・・含気量が減少したり、肺の細胞がつぶれる。胸水に圧迫されて?
◇反回神経麻痺・・・・・反回神経は胸の上、肺と動脈の間にある神経で、喉頭、声門などの筋肉を動かす神経。グレン手術では反回神経のすぐ近くで手術するので、圧迫で麻痺することもあります。麻痺は数年で軽快するが、完全には回復しないことが多い
◇ストレス・・だいぶ物心ついてきたからICUのストレスがすごいと思う
◇筋力の低下・・首がすわらなくなったりする ICU長いだろうな・・
◇発作性上室性頻脈・・・房室結節(ペースメーカー)が2つあることが多い無脾の子の15パーセントがなる症状 グレンフォンタン後に不整脈の心配があることを前から言われている
医師への信頼、ムンテラではどこまで聞けばよいのかというライン、母親の役割、、、
そしてナツくんは、やるしかない。
「布伝説」というとんでもない名前の生地やさんで大量に買ったボーダー、布のストックがもうそれくらいなんだな。しかもそこ、地名が名古屋市名東区「極楽」・・・・・。
「家どこ?」「極楽に住んでるの」「え?」ってかんじかな~
最初はどうなることかと思いましたが、今もそう思っていますが、ナツくんは6ヶ月を迎え、おかげさまですくすく育ってます。寝返りをぐるんぐるんしておもちゃに手をのばしかじってます。離乳食も上の2人にはなかった勢いでせっせと作っているのでむしゃむしゃ食べてくれます。ほんとにかわいいかわいい男の子です(ごめんなさい)。
ナツくんはみためにはわかりませんが、心臓が悪いので、次のグレン手術(※)前のカテーテル検査のため今月11月28日から4泊5日入院、そして年明けにその手術の予定が入っています。
一瞬だったけど、先日ナツをあるお友達数人に初めて見せる機会が(6ヶ月になってやっと)ありました。
みんなけっこう本気で「かわいいあかちゃん~っ!!」って言ってくれて、
その後家にもどってウウっと涙ぐんでしてしまいました。
グレンが近づいてきて自分がナーバスになりつつあるのは確かな模様。
いまだに「なんでナツくんは何にもやってないのにこんな目にあわなきゃいけないの」って思ってしまう。
医学的知識に間違いが多々あるとは思いますが、以下メモ的に書きます。
さて、※正式にいえば「両方向性グレン手術」
心臓に2つあるべき心室が何らかの形態で本来のように機能できない単心室の子たちは、心臓の中で汚い血ときれいな血が混ざってしまいます。そのため大静脈を心臓から切り離して肺動脈(心臓から肺へ汚れた血が流れてゆく血管)につなげてしまう。これで汚い血が直接肺に戻るのできれいな血と汚い血が心臓の中で混ざらなくなる。つまり心臓のお仕事はきれいになった血を全身に送り出すことだけになります。これを根治手術として目指してゆくのです。
この根治術は「フォンタン手術」といいますが、その前段階としてまず体の上半身から戻ってくる上大静脈を心臓から切り離して肺動脈につなげてしまうというのが「グレン手術」なのです。「両方向性」がつくのは、上大静脈が左右の肺動脈に流れるようにつなぐということを意味します。
書くとかんたんだけど、そんなにうまくいく話なのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそもナツくんの病名は
・AVSD(房室中隔欠損)
・TGA(完全大血管転位)
・PS(肺動脈狭窄)
・Asplenia(無脾症候群)
・TAPVP(総肺静脈還流異常)
前回のシャント前カテレポートを主治医が二枚出しちゃったから、と言ってくれたの(ほんとはセカンドオピニオン用に、との配慮だったんだけど、行く必要性をあまり感じなくなったので愛知小児におまかせすることにしたのでここにある)を眺めてみる。略語と数値の羅列である。おおまかにいって
*PV・・・肺静脈
*PA・・・肺動脈
*RA・・・右心房
*RV・・・右心室
*LA・・・左心房
*LV・・・左心室
*IVC・・・下大動脈
*SVC・・・上大動脈
*INN.V・・・わからん?
(そのそれぞれに対して部位ごとの圧力や血流量の測定値)
*PAindex・・・・肺動脈インデックス
肺動脈の太さを評価する数値.330プラマイαが正常?なのに、ナツくん137?
シャント後に肺動脈が太くなるかもしれないと期待があったのだが、期待は外れている。だから実はナツくんは7月に入れた人工血管のおかげで生きているようなものだ。
ナツくんは大血管転位だから、房室中核欠損してないと生きられなかった。そういうところを見ると、あるひとつのきっかけからどんどん心臓と付近の複雑さが増えたのかな、と思う。肺静脈還流異常も不思議な血管形態だと今さらながらに驚いてしまう。無脾の子の症状は違いこそあれ、特徴はよく似通っている。
○ちなみにカテの前に飲む眠るお薬トリクロ: 催眠鎮静剤,抗不安剤
眠りにつけるお薬。おもに脳波や心電図などの検査時に用いる。脳の神経の働きを抑える作用がある。 短時間型の催眠鎮静薬。
○心カテ:ウィキペディアにあるけど、リンクがうまくいかず。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
で、これを今ながめてるのは次のカテで評価されることを想定しながら・・・。
<グレン手術の基準となる数値>
☆肺動脈圧 20以下 (左平均と右平均を出す)
☆肺血管抵抗 3.0以下
☆肺動脈指数 250以上
☆肺体血流量 ?
○心収縮率・・・心臓の駆出率のことで、血液を送る心臓ポンプの機能正常値は60~80%らしい。
平たく言うと、心臓のポンプ機能に頼らずに肺に血が流れるためには肺血管抵抗が低いこと。そして心収縮の能力によって肺からの血がきちんと心臓にもどってくること。左心房の圧より静脈圧が高いこと。
○グレン後はサチュ80~85%を保つ。今80前後なのであまり変わらない。
★肺静脈還流異常は今回根治すると思うが、自分あまりよくわかっていないのでちゃんと聞いておく。
★肺動脈狭窄を今後どうするのかがよくわからない。シャントをそのままにしておくかもしれない、と前に言われた気がするけど・・・?
※静岡こども病院のHP/グレン手術の項より抜粋
「・・・左右の肺動脈がバランスよく成長してくれないときには、静岡こども病院坂本科長が開発したintrapulmonary septationという新しい手術を行い、バランスよく肺血管が成長するように工夫し、なるべく良い状態で次の段階に進めるようにしています。」
肺動脈を形成する手術のことなどもけっこう目にするが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そしてグレン後、どんな状況が待ち受けているのだろうか。
グレン後心臓の負担が軽くなるとはいえ、シャント後アダプテーションに時間のかかった彼(心不全状態)。
★おさらい
◎心拍数・・・正常120~140/分
◎心胸比・・・心胸比(%)=[心臓の幅÷肺の幅×100] 50~55%以下が正常
水分がたまったりして異常値がでる
◎呼吸・・・・・・正常なbabyで30~40回/分
◎炎症反応 CRP・・・・・・・
体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクディブ・プロテイン=CRPが現われる。このCRPは、正常な血液のなかにはごく微量にしか見られないため、炎症の有無を診断するのにこの検査が行われる。
●基準値
定性法(CRPの有無を調べる方法)では陰性(-)が正常。ごくわずかでも炎症がある場合には弱陽性、炎症の強さに応じて強い陽性反応を示す。最近では定量法(一定の量のなかに含まれる量を調べる方法)で判断するのが一般的になっています。この場合1デシリットルの血液のなかにCRPが0.6ミリグラム以下であれば正常。
●異常値の場合に考えられる主な疾患
陽性反応が強い場合は、結核などの感染症、膠原病、リウマチ熱、心筋梗塞、肝硬変、敗血症、悪性腫瘍など。弱陽性の場合もウイルス性疾患、急性肝炎、脳炎、内分泌疾患などの疑いがある。
●受診時または検査時の注意点
CRPに異常がある場合の多くは、発熱や不快感をともなう。基本的に空腹時に行われる。
★また、グレン後予想される事態についてはやはり知っておくべきだろう
◇乳び胸・・・・胸に脂肪分を含んだリンパ液が溜まること。
脂肪分はリンパ管で吸収され、肝臓へと運ばれるが、その脂肪分の吸収が悪くなり胸に溢れ出て胸水になる。
◇胸水
◇無気肺・・・含気量が減少したり、肺の細胞がつぶれる。胸水に圧迫されて?
◇反回神経麻痺・・・・・反回神経は胸の上、肺と動脈の間にある神経で、喉頭、声門などの筋肉を動かす神経。グレン手術では反回神経のすぐ近くで手術するので、圧迫で麻痺することもあります。麻痺は数年で軽快するが、完全には回復しないことが多い
◇ストレス・・だいぶ物心ついてきたからICUのストレスがすごいと思う
◇筋力の低下・・首がすわらなくなったりする ICU長いだろうな・・
◇発作性上室性頻脈・・・房室結節(ペースメーカー)が2つあることが多い無脾の子の15パーセントがなる症状 グレンフォンタン後に不整脈の心配があることを前から言われている
医師への信頼、ムンテラではどこまで聞けばよいのかというライン、母親の役割、、、
そしてナツくんは、やるしかない。
by soyuco
| 2006-11-15 00:12
| グレン(07/04/17)